奄美大島の大自然で思い出した、あの頃の「真っ暗闇」の話
先日、奄美大島を訪れました。
圧倒されるような大自然に包まれたとき、私の記憶の奥底から、ある感覚がふと呼び覚まされました。
それは、幼い頃に感じていた「本物の暗闇」の記憶です。
街灯の少ない町で育った、あの頃
私が生まれ育ったのは、街灯が数えるほどしかない小さな町でした。
夜空を見上げれば流れ星が見えることもあるような、静かで、夜がしっかりと「暗い」場所。
小さい頃の私は、その暗闇がたまらなく怖かったのを覚えています。
真っ暗闇の向こうに、何か得体の知れないものが潜んでいるような気がして、いつも足早に家へ帰っていました。
おばあちゃんの家に遊びに行ったとき、学校の宿泊学習でキャンプをしたとき。
一歩外へ踏み出すと、そのすぐ先には深い森が広がっていました。
虫の声は激しく響いているはずなのに、視界が遮られる真っ暗な世界のせいか、むしろ奇妙なほど静かで、おそろしく感じたものです。
単なる「黒」とは違う、森の暗闇
都会の夜にある「黒」と、大自然の「暗闇」は、まったく違います。
それは、あらゆるものを吸い込んでしまうような、どこまでも深く続いていくような暗闇。
ただの色の名前ではなく、そこには確かな気配がありました。
それは森そのものが持つ圧倒的な生命力だったのかもしれません。あるいは、そこに潜む生き物たちの息遣いだったのかもしれません。
そんな恐怖の象徴だった暗闇ですが、奄美大島で久しぶりにその中に身を置いたとき、不思議と恐怖だけではない感情が湧き上がってきました。
恐怖と好奇心、そして人間の本能
ふと見上げると、夜空には優しい月明かりが広がっていました。
柔らかいその光は、私をホッと安心させてくれます。
暗闇にゾクゾクと恐怖を感じ、月明かりに安らぎを覚える。
これは、大昔から人間が持っている「野生の本能」なのでしょうか。
暗闇の向こうが見えないからこそ、怖い。
けれど同時に、「何があるのだろう」と覗き込みたくなるような、奇妙な好奇心も突き動かされるのです。
人間もまた、自然の一部だと気づく夜
大人になり、いつでも明るい街で暮らすうちに、「本当の夜」を忘れてしまっています。
奄美大島の大自然が思い出させてくれた、あのどこまでも続く暗闇。
それは、忘れていた本能を呼び覚まし、自分もまた自然の一部なのだと教えてくれる、特別な時間でした。
みなさんは最近、吸い込まれそうなほどの「真っ暗闇」を感じたことがありますか?



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