エレベーターで出会った、ちょっと早めの「おやすみなさい」
わが家はご近所付き合いがほぼありません。
それでも住人の方は感じのいい方が多く、エレベーターで乗り合わせると、子供も大人も自然と挨拶を交わしてくれます。
先日、おそらく親子であろうお二人と、エレベーターをご一緒しました。
後から乗った私は「すいません」と隅っこへ。
先に降りる階に着いたので、ぺこりと軽く会釈をして一歩外へ出ました。
思わず笑顔になった、お父さんの一言
まだ乗っている娘さんらしき方の「失礼します」という声。
続いて、ご高齢のお父さんらしき方の、
「おやすみなさい」
という言葉。すかさず娘さんが、「あははは、おやすみなさいって。あはは」と楽しそうに笑い出しました。
お二人の会話を背中で聞きながら、私も思わずふふっと口元が緩みます。
たしかに、まだ外は明るい時間。
「おやすみ」と言うには、ちょっと早すぎました。
でも、あのお父さんの「おやすみなさい」が、なんだかとても良かったです。
ゆったりとしていて、落ち着いていて。
ちょっとおかしくて、とても微笑ましい。
素敵な言葉をいただいたのに、簡単な会釈だけで済ませてしまって、なんだかもったいなかったな、と後から思いました。
いつから言わなくなったのだろう
いつの間に「おやすみなさい」と言わなくなったのでしょう。
子供の頃は、ちゃんと挨拶をしてから寝ていたはずなのに。
今では「先に寝てるね」と言うくらい。
大抵は、気がつくと眠らなければいけない時間になっていて、慌ててベッドに入り込むような毎日です。
大人になって、どこか照れ臭くて言えなくなってしまった「おやすみなさい」。
今夜は、あのお父さんの温かい声を思い出して、ふふっと穏やかに眠れそうです。
それでは、おやすみなさい。



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